八月第三週

五月ごろ、ある庭園を散歩している時に聞こえてきた男女の会話です。

「これ、あなたの好きな木じゃなかったっけ」

「そう、サルスベリ

彼らが去った後、僕はそのサルスベリに近づいて観察しました。どれだけ見ても会話が見つからなくて、諦めて庭園に併設された美術館の方へ探しに行きました。僕は一人でした。一人だからこそ探していましたが、見つからなくて寂しかったです。

今朝になって急に思い出したことです。今はきっと開花しているはずですが、見に行って何か変わるでしょうか。