六月第二週


ずっと家に篭っていると気分が悪くなるから、週に一度か二度は少し遠くまで出歩くことにしました。ちゃんと出掛けたのかどうかを確かめるため、日記をつけようと思います。


土曜日の夕方は丸の内をぶらぶらしていました。目的は丸善でゆっくり本を眺めることだったのですが、どんなジャンルの本棚の前でも何だか落ち着けなくて、結局は最上階でたまたま開かれていた版画展で何百万もする版画を観ていました。版画には中学生の時に授業で作らされたもの程度のイメージしか持っていなかったのですが、芸術家の作るものはとても繊細で、線の細さといい色合いといい版画でないと表現出来ないものがあるのだと初めて知りました。千住博という人の作品は特にすごかったです。


丸善を出ると、外はまだ明るかったので、皇居の周りを散歩することにしました。皇居ランナーは反時計回りに走らなければならないルールがあるらしく、目の前から走ってこられるのはなんだか嫌なので、僕も反時計回りに歩きました。僕を次々追い抜かしていくランナー達を後ろから見ていると、女の人はお尻がとても大きい生き物なんだなと実感しました。肩も胴も男より細いのに、お尻だけずっと大きい。それを揺らしながらじゃないと走れないのは不便そうだと思いました。たまには景色も眺めつつ、東京国立近代美術館の近くまで歩いて、そこから地下鉄に乗って帰りました。


丸の内はとても綺麗で気に入りました。特に皇居の周りは最高で、わざわざここまで走りにくる人たちがいるのも納得です。今度はもう少し早い時間に行って、皇居の中を散歩したいと思います。