四月第三週
将来の不安ばかりが頭を過ぎります。それは就職とか結婚じゃなくて、このまま普通に生きて死ぬだろうということです。
たとえ偉くなれてもお金持ちになれても、ただの人間のままで終わりそうだ。普通とは平均じゃなくて、同じような人間が他にもいるということです。
滅多に見れない珍獣になりたいわけでは無いし、始めの気持ちも当然そうじゃなかった。何か目的を見失っています。たとえば今どうしてここのいるのかを見直してみよう。
僕が数学を専攻するつもりになったのは、物事を理解する助けになると思ったからです。超人的な感覚は持ち合わせていないから、現象を認識出来ても理解することができない。ですが、現象の数学的な理解なら訓練を積むことによって可能かもしれないと思いました。それは最初の一歩になる気がしています。
同じ目的のために、例えば音楽を選ぶ人もいると思います。僕は世界の解釈を一つ与えてくれるもののことを芸術と呼びたいのですが、最近になって数学も芸術だと気づきました。
僕が分かりたい何か、それが一体何なのかそれすら不明なのですが、死ぬまでに少しでも明らめたいと思っています。変わり者を演じたい欲求は、見せかけの理解で自分を安心させたいからでしょう。僕には勇気が必要だ。
ところで、上述はおそらく贅沢な悩みと言われる部類に入ります。しかし貧富の差が是正され、明日を生きれるかの不安が薄くなった現代の先進国では、ゆっくり死んでいくような毎日が憂鬱な人は少なくないでしょう。冒頭に挙げた動画、あのアメリカでもこういう曲がヒットしている。